赤と黒
3
「さて、カナデも起きた事だし…
飯にでもするか……」
悶々と考えてた私を余所にブツブツと呟いてるシン。独り言だな、可哀想に…(笑)。
「おい何、人の顔見てニヤニヤしてる…
笑顔は可愛いと言ったがニヤケ顔は気持ち
悪いぞ」
と、幻滅したような目で見てくる可哀想な人。貴方には言われたくない…。
「まぁ、いい。飯にするぞ。
歩けるか?歩けるなら頷け」
歩けるかはわかんないが歩くのがめんどくさいから、頷かなくていいか…。
と、思い頷かなかったら、
「………まだ無理か。
おい、ちょっと毛布とかどかせ」
歩くのにと何か関係あるのか?
手を動かして、二枚くらい私に掛けてあった毛布を剥いでいく。
その時気づいたが、いつも着ている服ではなかった。そして、手足が綺麗になってる。
私のいつもの服は、昔は白かったと思うが洗うこともできず、破れても繕うことも出来なかったため、ボロボロで灰色になっている。
そして、手足はいつも、土や埃で汚れていた。
なのに、今は二つとも綺麗だ。
何故だろうと、シンの方に顔を向けたら、
「……ん?」
通じなかったようだ。
私が着ている服を摘まみ、シンを見たら、
「あぁ、服か?
前着てた服は、破けてたりしたから
捨てた。
で、その服は俺がプロデュースした。
やっぱりカナデは肌が白いから、赤が
似合う」
ニヤリと口元をあげ説明してくれた。
シンがプロデュースねぇ。
真っ赤なミニスカワンピース、腰のとこに大きなリボン、フリフリした裾。
シンはこういう服が好きらしい……。
色々、シンの理想図が崩れた音がした。
新しい服、新しい貴方の趣味。
そして、印象が変化した瞬間……
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