キセキの世代と過ごす日々 番外編 偵察に行こう!(桐皇学園+緑川リュウジ) インターハイが間近に迫ってきているこの時期。 俺は監督(相田リコ)からある任務(自分の思い込みで言い方が少しかっこいいが)を任された。 内容はこうだ。 『桐皇学園の練習方法を見てこい』というものだ。 「桐皇かー、青峰と桃井ちゃんにも会えるのかー」 俺はまだ気付かなかった。 軽い気持ちで桐皇に行くことは危険だと言うことを……。 桐皇学園にて 「リュウジ、久しぶりだな」 「青峰、部活ちゃんと行ってる?」 「時々な」 帝光でも途中、才能が開花した時期に部活に来なくなったときがあった。 その時のことを思うと胸がいたむ。 「ちゃんと行かなきゃ駄目だよ」 「わかってるって」 青峰も成長したなぁ〜。前まではいやだの、キスしてくれたらだの言ってきたのに。 「ねぇねぇ桃井ちゃんどこにいるの?」 「さつきは情報収集に出掛けてる。もうそろそろ帰ってくる頃なんだが…」 二人で立ち話をしていると後ろから、足音が聞こえてきた。 振り返ると髪を揺らしながら、走ってくる桃井さつきの姿があった。 「リュウジく〜〜〜ん」 走ってくるなり、ギュッと抱き締められる。 「桃井ちゃん久しぶり〜」 「リュウジくんにあえてものすごく嬉しい」 可愛いな〜と和んでいると、突然後ろから手で目隠しされた。 (青峰かな…でも青峰にしては指がほっそりしてる…) 「なんや、この可愛い子は。誠凛さんか」 見知らぬ声が聞こえる。 関西弁らしき言葉を話してる。 「今吉さん!」 俺は外の状況が見たく、目隠ししている手をどかそうとする。 「すまんな、手離し忘れてわ」 パッと手を離してもらい、やっと顔を見ることが出来た。 「あの…どちら様でしょうか?」 黒髪に黒縁眼鏡で背が高い人だった。 多分先輩だろうなと予想はしていた。 「すまんなぁ、自己紹介せな分からんかったな。ワシは桐皇学園バスケ部キャプテンの今吉翔一や。よろしゅうな」 (キャプテンだったんだ…) 「えっとー…誠凛高校バスケ部1年、緑川リュウジです。よろしくお願いします、今吉さん」 (今吉さんって呼ばれてたしこの呼び方で大丈夫だろう…) 「リュウジって帝光中でキセキの世代と全中3連覇したってゆう人やったっけ?」 「はい、そうですけど」 結構有名なことらしく、大抵の人が聞いてくる。 「そうか…リュウジがそんな有名人やと思わんかったなぁ」 「はぁ…」 「顔かわええな。ワシと付き合わへん?」 (Σ今吉さんってまさかゲイなの!?) 「まさか、冗談ですよね」 「リュウジさえよければ、ワシええけどな」 (桐皇学園のキャプテンってゲイなんだ……) 「し、失礼します〜〜〜」 そう言い残して、俺は走り出していったのだった。 おまけ 「監督聞いて下さいよ〜!桐皇学園キャプテンの今吉翔一さんはゲイなんですよ」 「えっ…そうだったの?知らなかったなぁ」 「感想それだけですか!?もっとほかにないんですか?」 「それよりも桐皇学園の練習法はどうだったの?」 「あ……見てくるの忘れてました…」 「リュウジ君は明日から練習メニュー3倍ね(ニッコリ笑顔で)」 「えっ……3…倍……ですか………」 「そーよ、頑張ってね」 こうして、俺の桐皇学園への偵察は終わったのだった。 [次へ#] |