恋するあの子は無表情。 …よん。 静まり返った部屋にピチャピチャと、水音が卑猥に鳴り響く。 「ん…ぁ…司様っ…」 長ーいディープキスがやっと終わりを迎えたタイミングで、俺は声を掛けた。 「…あの…」 「ん?」 まざまざとキスシーンを見せておきながら本人は何でも無いような顔をしている…。 む…気にくわないな… それなら俺にだって考えが 俺は静かに頭を下げて言った 「…編入して、きました…笹本文人…と言います。……今日から、お世話になります…。」 「え?」 「は?」 なんだか今日はいつもの百倍は喋っている… 編入初日だから仕方ないか…。 「…。」 美形と美少年がアホ面で俺を見ている。 あーあ、美形が台無しだ 面白いからいいけど。 「ぷっ…」 「……?」 美形…というか…麻生司であろう人物は腹を抱え、肩を…震わせている…。 「…司様?」 美少年が心配そうに見つめているのをよそに、麻生司は… 「あっははははは!」 大笑いしている…。 [*前へ][次へ#] [戻る] |