恋するあの子は無表情。
…さん、
…門を横切って校内に入る。
「あ、」
涼太…忘れた。
…
まぁ、いっか。
歩き出そうとしたその時、
「あぁーーーーーー!!」
……ビビった。
顔には出てないけど。
「あんた、ここの転入生か!?」
「…。」
それは、お前もだろ…。
俺は目の前のまで来た黒いモジャモジャ、もとい、おーどー君を見下ろす。
やっぱり、キモい。
「なぁ!聞いてんのか!」
「……うるさい。」
少し、本当に涼太や父さんにしか解らないぐらい少し、顔を歪める。
「なっ!そんなこと言うなよ!失礼だぞ!」
「……。」
俺、こいつ…苦手だ。
助けを求めようと振り返って涼太の方を見る。
涼太は苦笑しながらも来てくれた。
「……涼太。」
「は?涼太…?って誰だよ!」
「俺だよ。」
涼太は愛想笑いを浮かべながらおーどー君に近づく。
「お前が涼太?俺は杉崎沙夜(スギサキサヨ)って言うんだ!沙夜って読んでくれ、よろしくな、涼太!」
…おーどー君は自己紹介を終えると、涼太に握手を求めている。
「あー…ごめん。俺、こいつ以外とはよろしくしない様にしてるんだ。」
涼太は俺を指差して言う。
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