恋するあの子は無表情。 …に、 「…。」 「…。」 「…なぁ、文人。」 「……なに。」 「アレってもしかして、」 「…。」 もしかしてって…涼太はアレに思い当たるふしが、あるのだろうか…。 今、俺達が見ているモノは、城のような学校の前に佇んでいる巨大な門…によじ登っている黒いモジャモジャ…。 「…キモい。」 思わずそう呟いてしまった。 「文人、そんなこというな。それに、アレはきっと王道転入生かもしれないっ…!」 「……。」 そんなことより、 …早く校舎に入りたい…。 [*前へ][次へ#] [戻る] |