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恋するあの子は無表情。
我が人生に悔い…どころか未練すら感じる 涼太sid



あぁ〜っっ!!



たまんねぇな、こりゃ。








俺は同室者の、藤崎 尊(フジサキ ミコト)と対面した。

因みに名前は部屋のネームプレートで確認したんだぜっ☆




「ジロジロ見てんじゃねぇよ、クソが。」








はぁぁ…






思わずうっとりしてしまう…




逞しい長身

鋭い目付き

長く、綺麗に筋の入った腕

着崩した制服

耳に大量のピアス

ゴツいアクセサリー

微かに香る煙草の匂い

使い慣れたような罵詈雑言





そして、深い眉間のしわ…!!



何者も寄せ付けないオーラ、しかし何処か惹かれる男らしい魅力…!!!










これは、藤崎尊は、



完っ全に一匹狼の不良だ!!







「……。」



思わずニヤける



「チッ、何ニヤけてんだよ。平凡が。気持ち悪ぃ…」



藤崎が冷めた目で、軽蔑したように俺を見る。




あぁ、たまらん!!


いや、別に俺がMとかじゃ無くてだなっ!


この藤崎が文人にだけデレると考えるとニヤけちまうわけで…。



いい…!


いいぞ、藤崎くん…!!






「ククッ…楽しみだ…。」

「アア゛?」



おっといけねぇ、口に出てたか…


「いや…此方の話です…。」



藤崎を見上げる。





ゴッ!!



「っ…!」




いってぇ…!!



突然、藤崎に右頬を殴られた。



「ふざけんな。散々人を無視した挙げ句に気持ち悪りぃ顔でニヤニヤしやがって…。」




そんなキモかったか、俺…。


地味に傷つく…





「サーセン…。」


にしても痛い。


右頬を擦る


ヒリヒリするお!!




「で、てめぇは俺に何の用だ。失せろカス。」





自分から聞いておきながら、失せろ…だと…!?


くそぅ!!萌えるじゃねぇか!!


いつかこれが…















藤崎『俺に何の用だ…まぁ、用が無くても来てくれるだけで嬉しいけどな。』

文人『…尊さん…(赤面』












に、なる日が待ち遠しいぜ、畜生!!




「オイ、聞いてんのか?あ?」

「っ…た!」



いでで!!抜ける抜ける!!



藤崎がギリギリと髪を引き抜かんばかりの勢いで引っ張り上げる



ちょ、身長差考えて!!



「なんか言えよ、ほらっ!」


ガッ


「っ…!!」



うぁ…!


頭突き…痛っ…



じわっと涙が浮かぶ



「っ…、」


あー、至近距離にイケメン…


でこが熱い。顔が近い。

なんだよ、この距離は…俺より文人にさせたいよ…。





つか、言いたくても痛みで言えねぇーよ!!


暴力反対!!




「っ…ぁ、藤…崎っ!」

「…。」



俺の呼び掛けにピクリと少し反応して、さらに眉間にしわを刻みつつ、藤崎は俺を解放した。






いってぇー…



絶対抜けた…。でこ付近が凄くヒリヒリする


あと右頬。






「で、お前は誰だ?」



藤崎が聞く。



「俺は、今日編入して来た佐伯涼太だ。それで、今日から俺はこの部屋で世話になることになってま、す…。」




う…。



また不機嫌か…?


恐る恐る身構える。




「…そうか…。」










ん?

あれ?



なんだ、流石にもう殴られない…か、?






そう思って、ホッと息を付いた瞬間…















「…悪かったな。」











「え…?」









藤崎が殴られた俺のほっぺをスルリと撫でた。




「う…は…」



優しい動作に戸惑ってしまう。


顔が熱い。





イケメン、反則…

照れている自分に恥ずかしくなって、静かに目を閉じる。



「……部屋、手前。」

「え…」


藤崎は素っ気なく言って奥の部屋に戻った。





俺の部屋は、手前だ…と言うことか?













な…



なんなんだよおおぉぉっ!!




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