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恋するあの子は無表情。
…狼なんか、怖くない。




「じゃ、俺はここだから」


503号室の前で涼太と俺は別れた。



理事長室を出たあと、俺達は学校案内の印を確認しながらなんとか寮まで辿り着いた。




その間、王道くんは終始煩かったのは…言うまでもない。















ーーーーーー数分前ーーーーーー








「えーっ!!何でだよ!!何で俺だけ部屋がある階が違うんだよ!!」

「そう言われましても…」


寮長に文句を言う王道くん。

苦笑混じりで困り顔な寮長。




「……。」

「あーっと、文人。逃げるのは無しだぜ」

「……。」



涼太に首根っこを掴まれ逃げられない文人。


「おーい、王道くん、決まったもんは仕方ないだろ?寮長困ってるぞ。」

「だって!!俺だけ三階なんて不公平だ!!」

「…はあ…仕方ない…」



沙夜に近づく涼太



「俺が会いにいってやるから…な?」



沙夜の顎を支え、耳元で囁く



「っ!!?やめろよ!!」


赤くなって涼太の手を振り払う


「あっははー、冗談だって」

「……涼太…」


心配そうに涼太を見つめる文人


「ん?」

「大丈夫…なのか…?」

「冗談だって言っただろ?」

「でも…あいつ…顔が…」



顔を赤く染め、なおも騒いでいる王道くんを見て言う



「文人、考えてもみろ、俺みたいな平凡が何やったって格好つかねぇよ」


笑い飛ばす涼太


「おい!!聞いてんのかよ!?」

「あー、はいはい、…文人、走るぞ」


エレベーターまで走り出す二人


「!!!おい!!」


追いかける王道くん


「あー!!あんなところにイケメンがっ!!」


振り返り、走っている方向の反対を指して叫ぶ涼太


「な!?」


思わず涼太の指した方をみる王道くん


その隙にエレベーターに素早く乗り込み五階ボタンを押す涼太


エレベーターが動き出すと同時に追い付いた王道くんは上がっていくドア越しに騒ぎ立てていた。





















そして今に至るのであった…。





ーーーーーーーーーーーー















涼太と別れたあと、俺は自分の部屋へ向かった。





510号室
麻生 司(あそう つかさ)
    (       )





あそうさん……か、



同室の生徒の名前を確認して、部屋に入るための鍵を取り出す。


鍵はプラスチックのカードみたいなもので、ここでは授業に出席した時このカードを教室に備えられている機械に通す…らしい


面倒くさいが、重要な事の様だ。


これで個人も特定でき、更にはGPS機能もついているとか…。






なくしたら一大事だと言われたな…。




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