恋するあの子は無表情。
…副会長、現る。
関わりたくない、とは思っていても、関わってしまうこともある。ということを俺は…痛感した。
門を過ぎて、しばらく歩いていると、前から人が来ているのが確認できる。
「…綺麗。」
その人は凄く綺麗な、それでいて男らしさもある美人だった。
美人さんは俺の前に来ると足を止めて笑い掛けてきた。
「初めまして、僕は、この学園の生徒会副会長をしています。矢吹灰斗(ヤブキカイト)といいます。今回は君たちの理事長室までの案内役をさせてもらうよ。」
「…よろしく、お願いします」
ふわりと笑っている。素敵だとは思うけど…演技力に欠けるかな。少し、怖い人に思える…。怖い、というより冷たい人かもしれない。
こうゆうときでも、俺の顔面は1ミクロも動かない。
愛想笑い位は出来るようになりたいな…。
「初めまして、副会長さん。俺は、こいつの幼馴染みの佐伯涼太です。」
涼太…いたんだ。
「よろしくね、佐伯くんと、えっと…、君の名前はなんていうのかな?」
副会長さんが俺に聞いてきた。
というか、涼太はなぜ一緒に紹介してくれなかったんだ…。
「…俺は笹本あy「あぁーーー!」……チッ。」
俺の言葉は遮られた。
…誰に?
言わずと知れたおーどー君に。
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