03
(飽きた…)
「うぬ…またこうなるか……」
「火影様、その飛車を動かせば私の桂馬が王手を取ります」
手元の角を使えばいいのに。どこに置けばいいか何で分からないんだろ、この人は
(ま、もし分かっても玉を取る手はざっと50はあるから意味ないけど)
「ま、参った」
「またですか、火影様。これで五度目なのに」
私に五連敗とは。ってか五回もやってたら面白くない。いい加減飽きたし、お腹も空いた
火影室に来たときは朝だったが、今は昼。本当に私って暇だな。いや、火影様の方が暇か
(それだけ里が平和だという事だし、それはいいんだけど)
その暇に付き合わされる私の身にはなって欲しい。もう退屈凌ぎにもならない
「そろそろ業務に戻られては如何です?いつまでもこうしていては…」
「火影様、担当上忍用に配布する書類が用意出来ました」
いきなり扉が開いて入ってきた忍に火影様は待っていたように頷いた
「ナマエよ、そなたに1つ任務を言い渡す。カカシ、アスマ、紅の三人にあの書類を渡してきて欲しいのじゃ」
「え、あ…え?」
「脚、速いと聞いておるぞ」
ニコニコと笑う火影様に振り回されてる気がするのは私だけだろうか。予測を裏切られるというか、掴みどころがない
「各三枚ずつ、計九枚。それと伝言を1つ。期限は明日とだけ」
「わ、かりました」
紙を渡され、私は御使いを頼まれた。あくまでも任務だと言い切るには気が進まない内容だ
(ま、これならヘマはしない)
「渡し終えたら戻ってきなさい。もう一回戦じゃ」
「……まだ、やるんですか」
「む、勝ち逃げは許さんぞ?」
「、分かりましたよ。行ってきます」
なんだ、あの人。この調子じゃ一生あの人と将棋だよ
(お腹減ったな…)
そうして私は太陽の下、屋根の上をつたい標的三人を探し出した
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