20
夕暮れに赤く染まる里を三人で歩く
(ナルトはああ言ってくれた。サスケくんは明日には絶対来るって。私はそれを信じる)
気にかかるのは、ナマエ
「いの達は私よりもナマエのこと知ってるわよね。アカデミーでもよく一緒にいたし」
「…そうね。それでも、今は分からない。知ってるつもりで本当は何も知らなかったかもしれないわ。だって、今ナマエがどんな気持ちでいるか想像もつかないんだから」
目を伏せたいのはとても悲しそうで、私もまた目を伏せた
「まだ何にも分かってねぇ内に悲観的になんじゃねーよ。今俺らに出来んのはナマエを信じることだけだろ」
めんどくせー、と呟いたシカマルに私は目を丸くした。まさか、彼からこんな言葉を聞くことになるとは思わなかったから。だけどいのは違った
「そう、ね。あんたもたまには良いこと言うじゃない!」
「いてっ!」
バシバシとシカマルの肩を叩くいのは笑っている。まるで、さっき私がナルトに大丈夫だと言われて安堵したみたいに
(きっと、いの達だけが知るナマエがそうさせるのね)
私達だけが知る、サスケくんのように
「ところで、キバは知ってるの?ナマエのこと」
いのの一言に私は視線をシカマルにやる。キバがナマエに対して特別な感情を抱いてることは知っていた。それが余計に不安を煽る
「あいつはあん時ナルトにやられて医務室にいたからな…最後の試合だったナマエのアレは見てねぇし、まだわかんねーことの方が多いしよ。何も言える筈がねぇだろ」
「…そうよね」
深く頷くいの。確かにそうなのだろうが、それでもしいきなりナマエの異変を目にされされたらキバはどう思うんだろう
「……」
私は、サスケくんがあの呪印に覆われているのを見ただけで、怖くて
(大蛇丸…って一体)
何の目的でサスケくんやナマエに呪印をつけたのか。明日が、待ち遠しいのに怖かった
(それでも陽は昇る。だから私は信じて待つの)
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