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20


夢に出てくるのは、二次試験の森でサスケくんを覆っていた斑点。そして同じくそれに覆われていたナマエが、カブトさんを吹き飛ばした姿


私の頭の中で、何度も二人の面影が重なる








20 心(sideサクラ)








病院に行ってもサスケくんは居なくて、あの時倒れたナマエも病院には居ない。どうして彼女が“火影様の付き人”なんてしていたのか、仮面をつけて顔を隠していたのか


(大蛇丸との繋がり…サスケくんと同じ印を持っていたのは、どうして?)


分からないことが多すぎる。聞き出したいことだけで頭が一杯になる。だがどれも当人に聞かなければ分からないことばかり。そしてその当人に会えない私が知る事実といえば、中忍選抜三次試験が明日に控えているということだけ


「いらっしゃいま……って、サクラじゃない。あんたまた来たの?」


「リーさんのお見舞いに行こうかと思って」


サスケくんは居ないけど、と言いそうになってやめた。病院から突如消えた日から彼の行方は掴めていない


「…そ。ま、私もお腹壊して入院してるチョウジのお見舞いに行こうとしてたとこだけど」


その言葉を機に私といのは病院へと一緒に行くことになった。元々お互いの口数は少ないが、病院に向かう道では特に少なくなる。頭を占めるのは、サスケくんとナマエ。大蛇丸の呪印


「…居ないわね」


そう呟いたいのの視線の先にはナマエの家。立ち入り禁止区域とされたそこにはナマエ以外の家族の遺体があったそうだ。それと大蛇丸がどう関わっているのかとか、彼女はどういう思いで今何をしているのかとか。ただそんな事を思うだけの自分


「そりゃ…あの家にはもう帰ってこれないわよ」


「だとしたらどこに居るのかぐらい連絡してくる筈よ。ナマエなら、絶対」


ぎゅっと目を瞑る。アカデミーで笑うナマエと、呪印を纏いカブトさんを吹き飛ばしたナマエの無表情な顔が交互に現れる


「連絡出来ない…それぐらいの、何かがあるんだわ」


「何か、か…」


そこで行き詰まる私といのは不意に同時に空を見上げた。答えはそこにない


「とにかく、病院に行くわよ」


ぐっと息を吐き出すように私達はまた足を進めた







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あきゅろす。
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