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「私の任務は大蛇丸のアジトの位置を正確に掴むだけの諜報任務だった。そしてそれが私の最後の任務になる筈だった……私のお腹の中には子供がいたのよ」


子供。それが私でないということは明らかだった。母の目がそれを全力で否定していたからだ


「相手は何の甲斐性もないような男だったけれど愛していたわ。そしてそれと同様にお腹の子供も愛していた、幸せになる筈だった…それなのに…!」


ドンッと首を壁に押さえつけられる。母の顔は殺意に満ち、深く哀しみの瞳を見せていた。そしてその時に私は死を覚悟した。この人に葬られるならばそれは正しいと思ったのだ。それほどまでに当時の私にとって母は絶対的な崇拝の対象であり、そして全てだった


だから、苦しそうに話す母に耐えられる筈もなかった


「目を開けなさい!アナタには聞く義務があるのよっ」


更に壁に押し付けられて首が絞まる。生理的に流れる涙で滲む母の顔。歪みが激しい


「けれど忍としての最後の任務で私は大蛇丸に捕まった。元は使うだけ使って死んでしまえば終わりの実験に使うつもりだったんでしょう。けれどそこでアイツにとって、大蛇丸にとって計算外だったのは私が一族特有の特異体質を持っていたことよ」


「っ特異…体質……」


「もとは一族の血継限界だったけれど今はその一族も衰退して殆んど残ってはいない。それが余計に大蛇丸の何かをくすぐったんでしょう。私の能力を知ったアイツは私をある実験の実験台に選別した。私のお腹の子供を殺し、代わりにアンタを入れたのよ…大蛇丸の精子を私に人工受精してね……つまりアンタは」


つまり私は大蛇丸の


「娘」


「忌々しい」


「私の全てを」


「たった一言で」


「だからアンタには」


言葉が一方通行に流れる


「もういいのよ。ただ…」


苦しみ生き長らえなさい






(そうして笑う母は尚も美しかった。それは全てが崩れる合図だった)
(さようなら、サヨウナラ)
(私は死んだ)


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あきゅろす。
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