12
同じ映像が頭の中で繰り返し流れている
部屋を与えられてすぐ、お母さんが脱走して、だから、君麻呂が、お母さんを殺した場面
『仕方ないんだ、ナマエ』
12 臨時予選
薄暗い部屋。意識を失った部屋に私はまた寝かされていた。腕には何本ものチューブ。何かを投与されていたらしいが、今はその気配がない
「起きた、かの」
視界はまだ定まってないが、声だけで分かる。温かい右手、握ってくれていたのだろう
「火影様……いいんですか、今の私と二人きりなんて」
周りには気配がない。下にはいくつもチャクラの反応があるけれど、この階には誰もいない
私と、火影様以外は
「確かに。この2日、そなた随分と暴れておったしのぅ」
「…すいません、迷惑をおかけして」
「呪印だけが原因ではなかろう」
「さぁ、どうでしょうか」
(この人に、何を言ってしまえばいいのだろう)
「この六年、お主は木ノ葉で生き、感じたであろう?悲しみ、痛み、憎しみ、喜び、楽しみ…感情を」
「…はい」
真意を知った。隔離された世界の中で私が起こした惨劇。残ったのは
「もう何かが壊れるのは、見たくもない」
今思う。もう、私はいないと
「感情が生むのは、大蛇丸への恐怖だけ…」
平気で、壊していくアイツは。きっと簡単に私を壊す
(恐怖を覚えた私等は…)
元より壊し損ねた玩具の私を
「……ナマエ、もう我慢せずとも良い。そなたはもう木ノ葉の忍。大蛇丸の好きなようには火影であるワシがさせぬ。ワシの傍に居れ」
優しく抱き留める火影様の後ろの窓から、陽が昇るのが見えて
「……」
ただきつく火影様の肩の布握った
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