11
痛い、痛い
白い、白い
眠い、眠い
怖い
11 二次試験
サワサワと葉が擦れる音がする。鳥の囀ずる声が聞こえる。平和の朝の音がする
一瞬で酷い衝動にかられた。起き上がって、ベッドから飛び降りた腕を掴むモノ。いや、人
「さ、わるな…!」
くらくらする頭、三半規管。平行を失った身体でただソイツに掴みかかる。押し倒した私の首に突きつけられたクナイ
仮面をつけた忍
「よい。混乱しておるだけじゃ」
離れてく。だから私も離れる。怖い、怖すぎて叫び出してしまいそうだ
「ワシの声は、聞こえとるかの?」
「……」
聞こえている。だがそれをどうやって示せばいいかが分からない。奇妙に歪んだままの視界。ただ怖い
「そう、震えずともよい」
誰だ、誰かが近寄ってくる。この区切られた空間に押し込められた故の息苦しさ。呼吸をあらげ、肩を震わせる
(怖い)
頭を抱えて座り込む。身体からはあの斑点が消えているし、左肩の痛みも殆んどない。ただ時折チリッとする
「意識をしっかり保たんか、ナマエ」
そ…と肩に触れた手。皺ばかりで骨張った手。まるであの人のようだ
「ほ…かげ…さま、」
「そうじゃ。ナマエよ、今がどのような状況か分かっておるか?」
朝。それから、白いベッド。寝てた。私は寝ていた。多分、何日も。だって
「殺された……あの人たち、が」
この6年間、私の家族として周りにいた人。兄として、父として、母として。全ては偽りの記憶
「来たのは……殺したのは、あの瞳をもった、6年前に忘れた人……」
名前を口に出すのが怖い。どうして、今更私の前に現れたのだ。私は私の知らない人をしていた。平穏、例え造られたとしてもまごうことなき平穏
壊したのは、壊れた記憶の中心にいた男。誤魔化さずとも私は、大蛇丸と血の繋がりを持つ。断ち切りようのない事実
「私は、大蛇丸の下にいた。生まれた時から…支配下に置かれてた…」
「…やはり、記憶が全て戻っておるか(それに加えて呪印の封まで解かれとる)」
また、奪われた
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