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story
今日は、ね。
バレンタイン?

わかってるよ。

私にだってできるもん。









「これ、俺に?」

読んでいた雑誌を持ち上げて、雑誌の下からのぞくようにソウルが私を見た。

昨日椿ちゃん達と死武専の調理室で作ったチョコケーキ。

もちろんハート形で可愛いの。


「そうだよ。」


「うおお。すげえじゃん。マカが作ったのか?」


ソウルはお皿の上のケーキに釘付け。


「うん。がんばったでしょ?」

「おお!すげえ美味そう!」

ソウルの嬉しそうな顔が見れて良かった。
すごく時間がかかったんだからね。


「いつもありがとう。ソウル。食べて!」

「…おう。」


きょとんと私を見るソウル。

あれ?私何か変な事言ったかな?



「ん。美味いよ!」

ぱくりと一口食べてソウルはにっこり笑ってくれた。

うん。よかった。


ホントは告白とか…しようと思ったりもしたけど。
恥ずかしくて、ラッピングしたり、カードをつけたりも出来なかった。

皆みたいに出来ると思ったのに。

やっぱり何か照れちゃって…。


「あ〜あ。」

私がグルグル考えていると、突然ソウルが残念そうな顔をした。

「え?何?ちゃんと火通ってなかった?」

心配になってソウルを見るとほっぺにチョコをつけたまんまでムスッとしている。

「違うよ。」

「じゃあ何よ?せっかく作ったのに『あ〜あ』なんて…」


「ちがうよ。」

「ソウル?」

「告白でもしてくれんのかと思ったんだけどね。」

ソウルはこっちを見ないで小さな声で言った。


「…。だって…」

恥ずかしい。
 
けど…



今日は、ね。

バレンタイン

わかってるよ。

私にだってできるもん。







「好きよ。ソウル=イーター!」



今日は、ね。

私にだってできたの。

チョコまみれの彼の頬っぺたにキスを。



END





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あきゅろす。
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