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story
それは、
それはどんな色で

それはどんな形で

それはどんな音で

それはどんな匂いで


それは…












気になったのでお茶をすするソウルに聞いてみた。

「ねぇ、ソウル。ソウルにとっての愛って何?」


「ぶぅっ!」

一瞬目を見開いてソウルは元気いっぱいにお茶を吹いた。

「汚い…」

「げほ。マカが変なこと聞くからだろ!!」

袖で口をぬぐってソウルがこっちを睨んだ。


「変ってなによ!!変って!!」

私も負けずに睨み返す。

「そんなクサい事、人に聞くか?」

ソウルは何だか知らないけどあきれ顔で私を見た。

「じゃあどうやって知ればいいの?
 辞書引いたって、考えたってピンとこない。」


「はははっ頭硬いんじゃね?ホントにマカはお子様だな。」

「ムカ…いいよ。博士に聞く。」

ちょっとムカつくからソウルにはもう聞かないことにした。

ソファに座ってる意地悪な奴に背を向けて

悔しい私は怒りのオーラを出した。







だって知りたかっただけなのに。

それがどんなもので、


ソウルにとっては…


ソウルにとってはどんなものなのか…






「ちょっとこっちこい。」



声に振り向くと
ソウルが薄笑いしながら手招きしていた。
まだ悔しいから睨む。

「怒るなって。悪かったよ。言い過ぎた」

「…ふん」

「わかった。教えてやるから機嫌直してくれよ。」


しょうがないな。と内心ワクワクしながらソウルの横に座る。


好奇心丸出しの私に向かって
ポツリとソウルがつぶやいた。

「…マカだよ。」

「?何が」

ソウルが私の肩に手を回して
耳元でもう一度つぶやいた。





「俺にとっての愛。」




  









ああ、そうか。


「そっか。」



そうしたら、きっと

わたしにとってのそれは…



なんだかホッとしてソウルの頭を撫でた。





「マカ?」

「うん。わかった。

 私にとってのそれは…」



ソウルの色で

ソウルの形で

ソウルの音で

ソウルの匂いなんだ。









けれど、ソウルには内緒。




end




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あきゅろす。
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