4日目。 おはようございます。 本日、会社に緊急招集された美和、もとい仮面女です。 主任という立場ですので何か仕事にミスや緊急度の高いモノや、部下で処理しきれない何かを対応するのも上司の務めです。 朝、部下の加藤くんから電話が入り、朝食を作りシャワーを浴びてリビングに出ると男も起きていた。片手には本付である。 『…出掛けるのか』 『あー、うん。仕事でちょっと出なきゃならなくなった。キミは今日も図書館でしょ?ごめんね、送ってあげられないけど場所解る?』 『一度行けばそれくらい解る』 『あと、ここの鍵渡しとくね。キミのお財布買ってないから生身で悪いんだけどお金も置いておくから適当にお昼食べて』 『…おれのことは良いから支度しろ』 うん、と言いながら化粧を施しスカーフを首に巻く。髪を緩く纏め上げバレッタで留める。パンツスタイルに、ピンヒールを玄関の棚から出してカバンを引っ掴んで男に声を掛ける。 『朝からバタバタしてごめんね、ごはんあるから!戸締り宜しくね』 『…ああ、』 『行ってきます』 ピンヒールを履き、顔を上げると目の前に居候の顔が。 『…ほら、急いでんだろ?』 頬に、柔らかな感触を受けて吃驚するわたしを尻目に、男は何時もの不敵な笑みで笑った。 『あ、え、あああ時間!い、行ってきますー!!』 「イッテラッシャイ、アナタ」 『!!??』 キミ、初めての日本語それですか!? 問い質したいが時間が在りません! [*前へ][次へ#] |