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2日目。



1日目は酒を飲み明かして終了した。
朝、起きたら酒瓶が転がってソファで目が覚めた。そういえば、ベッドは客人に貸したのだった。薄掛けを退かして、美和は起き上がる。シャワーも浴びていなかったし、リビングもこのままはいただけない。
ふと、水音がしてベッドを見ると探し人はいなかった。



「…そっか、夢じゃないんだよね」



酒瓶を片付けて、ふと時計を見ると朝の5時だった。早い。
酒が次の日に残ることがほとんどないので、美和は取り敢えず簡単に機能買った野菜を洗ってスライスする。その間にパンを薄ら焼いておく。朝ごはんはサンドイッチでいいだろう。意外に食べる男用にたくさん作って、バスケットに詰める。



『…起きたのか』



ふと後ろから声を掛けられて、振り向く。
男は、昨日買ったジーンズに足を通し、上半身は裸のままタオルを引っ掛けた状態だった。無駄な贅肉がついていない、綺麗な身体だ。腕には大層な刺青が走っているのだが。
ちょっと溜息を吐いて、おはよう、と挨拶をする。返事は、嗚呼、としか返ってこないが無視ではないので気にしない。



『わたしもシャワー浴びてくる。直ぐ出るから、ちゃんと着替えといてね』



新しい下着と服を持ってバスルームに向かう。
男が使って居たからか、少し湯気の残るお風呂場に入って手早く髪や身体を洗う。基本カラスの行水なのでシャワーだけなら早いのだ。
15分程度で出ていくと男は着替え終わっていた。細身のジーンズにシャツを羽織った男は、ちゃっかりとサングラスを胸のポケットにさしてあった。



『女の割に早いな…』
『あら、そうかしら(誰と比べてんのかしらマセ餓鬼)』



笑って、簡単に化粧をしてから荷物をバックに居れる。そして、朝ごはん用のサンドイッチ入りのバスケットを男に持ってもらって、買い置きしてあるパックの野菜ジュースを二人分詰めて出発する。
時刻は、6時半を廻ったころだ。


有無を言わせず車に乗り、ナビを千葉のとある海岸へセットする。
渋々ながらシートベルトを付けた男に、出発、と言って車を発進させる。
朝方の、まだ涼しさが在って清涼な空気を窓を少し開けて換気する。
気持ちがいい。


ある程度走って国道を抜ける。高速に乗ろうかとも思ったが、朝早く特に目立った混雑がないため一般で川崎方面へ移動する。まぁ、ETC搭載なので混雑するようなら高速を使えばいい。周りはトラックばかりで、街並みも味気ないかもしれないが海に近付くにつれ街並みも少し変わってくる。ドライブにはサザンやケツメを良く聞くので、取り敢えず日本の曲だけどかけてしまう。鼻唄を唄いながら、隣の男を見るとカーナビを弄って遊んでいた。まぁ、いいけど勝手に弄って言語が英語になっている。一通り弄って満足したのか、座席に深く腰掛けている。



『あ、サンドイッチあるから食べていいよー』



車を運転しながら、隣の男に言うとバスケットを開けて早速食べている。
見た限り、この男も二日酔いにはなっていないようだ。
サンドイッチを手渡してもらって、運転しながら食べる。うん、トマトのサンドイッチはやっぱり美味しい。多く作ってあったけれどやっぱり全部なくなって、バスケットは後部座席に置いておいてもらった。



都内を抜けて川崎方面に入り、大体一時間は経ってしまったが漸く目当ての場所まで着いたので、高速にハンドルを切る。ぐるぐる円形の道を通って高速道路に合流し、英語の案内で海ほ○るまであと30分位の様だ。9時前に海ほたるに付いてしまう。
予定通り、房総半島をドライブすることにした。どうせなら、海ほたるを通って千葉に向かうことにする。どうせドライブなんだから少し回り道になるが丁度いいくらいだ。
朝早く海ほたるに到着する予定で、お店はコンビニやうどんそばなどのものしか開いてないだろう。



『…おい、チバとやらに向かっているのか』
『そうそう!あ、空港の傍も通るよ。アレが飛行機』
『…』
『一応休憩兼ねて海ほ○るって処で一旦止まるよ』
『……好きにしろ』



何事にもあまり動じないというかリアクションが薄いと言うか。わたしだったら見知らぬ土地に来て不思議な見たこと無いモノを見たらちょっと興奮するだろうけど。まぁいっか。
一日や其処らで連れ回してもよかったものか。
うーん、まぁ連れてきちゃったんだしここがどんな所か知っておいた方が安心する性質だと思うので深く考えないことにする。
ウインカーを出して、車道から案内板の示す方角へハンドルを切った。















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あきゅろす。
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