anemone
ある日の朝
はい、今日は快晴でいい天気です。うん。僕はこの天気でちょっと機嫌がいい。
さらに言うと、グリーン先輩にもらったチョーカーのおかげで10倍くらいになってるけど。
ー6話ー
ただいま、登校中。特にいつもと変わらない、平和な通学途中。
「…えへへ」
…にする予定だったけど、あえてグリーン先輩の家の前を通ってみた。案外僕の家から近いし。もし、グリーン先輩と会えたら嬉しいし。
「あ」
「あらら、通行人Aちゃん。」
「おはようございます、ナナミさん」
グリーン先輩のお姉さんのナナミさんが、外の掃除をしてた。なんだか、朝から美人を見ると、幸せな気分になるなぁ。
「通行人Aちゃん、まだ時間大丈夫?」
「え?えぇ、まぁ…」
「じゃあ、ちょっと待っててくれる?グリーン呼んでくるわね」
「はい…ってえええぇぇぇえぇ!?」
「なにか不都合でもあるの?」
「い、いや、あの…は、恥ずかしくて…」
「あらま、顔を紅くしちゃって。かわいいわね?」
「か、かわいくなんか、ない、です!」
「うふふ、あ、グリーン!!通行人Aちゃんが外にいるわよー!」
「…通行人A?」
するとひょっこり扉から顔を覗かせた僕の想い人。あぁ、朝からなんてかっこいいんだろう…。なんというか、オーラ?が僕とは違う…!!
「お、おはようございます!」
「…首」
「あ、はい、あの…」
「似合ってるな、やっぱり」
「や、…そ、その…えっと…」
やばい。え?なにがって?僕の心臓に決まってる。バクバクうるさくてしょうがない。
「あ、ありがとう、ございます…」
「あぁ。」
「あ、あの」
「なんだ」
「手、が…」
そう、さっきからグリーン先輩の手が首に当たっていて、恥ずかしいんだ。顔から火が出そうなくらい。
「…学校に行くぞ」
「い、一緒にですか?」
「不満か?」
「い、いえ!!嬉しいです!!」
「…そうか」
と、グリーン先輩は言うと、な、なんと、微笑んだ。うぐぅ…ヤバイ、かっこいい。
「ぐ、グリーン先輩」
「なんだ?」
「できれば今度遊びに行きませんか!?えっと、部活がない日に…」
「あぁ。いいぞ」
「ほ、ホントに!?」
「ああ。通行人Aはどこに行きたい?」
「遊園地に行きたいんです!!ほら、あの新しいところに!!」
「あそこか…」
「はい!!」
「なら、来週の日曜日が休みだったからな…その日でいいか?」
「大丈夫です!!」
「…なら、決まりだな。」
「えへへ…」
どうしよう…僕、彼女っぽいよ!!やったね!!これは勇気出して誘ってよかった!!
だけど僕は気づかなかった。
「…あの子…グリーンくんのなんなわけ?」
僕とグリーン先輩を見つめている影に。
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