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ナンセンス-02






思えば今日まで長い道のりだった。



金色の子どもに恋心を抱いたのは今から約三年前。


一部の里人のように化け狐だなんだと偏見こそないものの(四代目のそばにいたんだ、当たり前だろう。)担当上忍を任された当初は実力もないくせに口だけは一人前で何かと問題を引き起こす子どもに正直嫌気がさしていた。


だけどどうして、呆れつつも子どもの世話をやいてしまう。


三代目に頼まれたのもあるが、今まで付き合ったどの女の家よりも足蹴に通い、野菜を食べさせたり、散らかしっぱなしの部屋を片付けてあげたり。


自分とは思えない程、子どもに尽くした。


今思えば、あの頃すでにオレは恋におちていて、金色に輝く髪をふさふさ揺らしながら自分に駆け寄り、太陽のような笑顔をむけてもらえるようにと必死だったんだ、多分。




そんな自分に気づいたのは、子どもの一番身近な存在だったイルカさんのせいというか、おかげというか。


とにかく、オレといてもイルカさんを見つけると簡単に手を離す子どもに苛立った、オレを優先してよ、と大人気ない嫉妬心。


14も下の、しかも男で若干12歳の子どもに恋、オマケに初恋かもしれないだなんて戸惑わないわけがない。


だけども既に手遅れで、日に日に強くなる嫉妬心や独占欲だとか、みて見ぬ振りなんてできるわけもなく、自分の想いを認めることにした。





だからと言ってどうすることもできない。


だってコレはそんなに簡単な事じゃない。


好きだ、と告げたところで、気持ち悪ぃーってばなんて返ってくるのが目に見えていて、というかそれならまだ良い方で、嫌われでもしたら立ち直れない。


そうやってウジウジ考えている間に(とは言っても一応、点数稼ぎ的な事はこれでもか!っていう程した。)ナルトは修行だ、と旅に出た。





2年半…、2年半は大きかった。


旅の相手はあの自来也様、女好きのあの方が子どもに変な知識を植え込んでいたらどうしよう。


いや、知識だけならまだ良い。


本当に心配なのは子どもの貞操、だ。


オマエも良い年なんだし、ここいらで筆下ろしでもしてこいのぉ、なんて、得体の知らない女がいる店に放り込みかねない。


自分とて、15の時にはもう経験済みだった気がする(はっきりと覚えていない)。


対して行為に興味があったわけでも、相手に恋情を抱いていたわけでもなくて、誘われるがままに手放した初体験。


そんなのでもやはり身体は正直なもんで、得も言わぬ快感に溺れていった。


そう、アレに嵌ればやっかいだ。


好きでもない相手に腰を振れるようになるのだから。


だから、だから嫌な予感がしてならない。


少々思考が幼いにしても好奇心旺盛な子どもは未知なる世界に足を踏み入れたがる。


素直な子どもは一度堕ちればクセとなり、抜け出せなくなりそうで。





…あぁ、どうしよう。


子どもが里を出てからソレばかりが頭を支配して、寝てもさめても金色が離れない。


常に胸がざわついて、イライラが収まらない…、いま思えばその当時、あまり人が近寄らなかった気がする。アスマや紅さえ軽口ひとつ叩かない。


だからと言ってそんな同僚の変化に気づく余裕なんてこれっぽっちもなかったのだけれど。





そうして時は流れ、オレの我慢もそろそろ限界がきたところで、愛しい子どもが再びこの里に足を踏み入れた。

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あきゅろす。
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