ナンセンス-01
とある甘味処、甘栗甘の店奥を15・6といったところの少女と青年達が陣取っている。
人数に反して話し声はひっそりと、まるで密談のように身体を寄せ合い、その光景は異様としか言いようがない。
店員を始め、店内にいる皆がその団体に興味を示しているものの、オーラというのか、忍でなくてもはっきりとわかる殺気に似た何かを放ちながら話し合う彼らに近づける者なんて一人としていない。
当の本人達といえば。
「1ヵ月くらいじゃねーの?…ってか、それくらいいつでも良いだろうが。」
「バカ!良くないわよ!相手はあの、は…」
「コラいのブタ!それ以上は禁句でしょ!!」
「ハッ!そうだった…ってサクラ!誰がいのブタだってぇぇ!?」
「まぁまぁ、二人とも。今はそんなこと言い合ってる場合じゃないと思うな、もぐもぐ」
「チョウジの言うとおりだ、ったくこれだから女はめんどくせー」
「「……なんですって?」」
「……………いや、なにも、」
「そう?何もないならいいんだけど…、とにかくそうねぇ、1ヵ月じゃ早すぎるんじゃない?」
「確かにサクラの言うとおりかも。相手が相手だし、身体だけが目当てかもしんないしねー。」
「身体だけ…って、オレ男、だってば。」
「あら、この世の中にはそういう嗜好の人だっているのよ。」
「でも、先…、あの人、は女好きだってサクラちゃんが言ったんだってばよ?」
「…そんな事言ったっけ?まぁ、両刀かも知れないし、」
「…両刀?ってなんだってば?」
「そんなのアンタは知らなくていーの!とにかく、3ヵ月!3ヵ月は許しちゃだめ!わかった!?」
「…わかった、(なんか怖ぇってばよ)」
「…3ヵ月、か。我慢できるかなぁ?もぐもぐ」
「…あの人も可哀想だぜ。ま、オレにはどーでもいーけどよ、つかオマエ食い過ぎ…」
*
「……ンッ、ンゥ……ッ、ハァ、せンせぇ…」
ツゥっと細い糸を引きながら唇を少し離し、愛しい子供の表情を覗き見れば
目はトロンと虚ろで、頬は赤く色づき、中途半端に開かれた唇からは物欲しそうに舌がちらついている。
………これは、大丈夫そうだよね?
ニヤリ、と僅かに口角を上げたのは
はたけカカシ(30)
子供の上司であり、恋人である。
カカシはもう一度ゆっくりと顔を近づけ、目の前の愛らしい唇を啄む。
「……ん、ぅ…ッ」
漏れる甘い吐息にカカシはまた確信する。
今日こそヤれる、と。
ナンセンス
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