episode1-07
"じゃ、お疲れ。"
そう声を掛けようとしたそのとき、ナルトの視線が俺から俺の背後にある入口へと移された。
それを追うように振り返ってみれば、丁度入口の自動ドアが開く。
店内に入ってきたのは客ではなく、よく知る青年。
家業を次ぐべく、薬学科の大学に通いながら開いた時間にここでバイトしている惣菜担当の奈良シカマル(19)だった。
「おはよってば、シカマル!」
「おー、ナルト。お前上がりか?」
声を掛けられ、気だるそうに答えながらこちらへと向かってくる。
「おはよ、シカマル。」
「店長、おはよっす。」
ナルトに続き挨拶してみればシカマルは一瞬驚いた顔をしたが、すぐにいつものやる気のない顔に戻った。
「店長がレジしてんの、めずらしいっすね。」
(あー、それで驚いたんだ。)
「あのな!店長ってばサクラちゃんに」
「ナールート?」
先程のやり取りをシカマルにバラそうとするナルトに"バラしたら明日休みなの、取り消すよ?"と目で訴える。
「な、なんでもないってば!!」
慌てるナルトにシカマルは一瞬、怪訝な顔をしたが、すぐにどーでも良さそうに視線を俺たちから時計へ逸らした。
「あ、じゃあ俺着替えてくるんで。」
「俺も行くってば!」
ナルトがシカマルの後に続く。
「じゃ、俺もそろそろサクラに変わってもらうかな。」
店内に客はいないし、交代するなら今かな。と二人の後に続きカカシも事務所へと向かった。
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