嘘からでた誠-02
開け放たれた窓から冷たい夜風が入り込む。
ブルッと肩を震わせすり寄ってくるのは嘘つきなあなた。
いつもならその腰に手を回し、めいいっぱい肌をくっつけて体温の高いこの身体であなたを暖める。
だけど今日はしない。
いや…今日だけじゃなくて明日も明後日もずっと、ずっと。
「先生、好きだってば。」
通じ合う筈もないこの気持ちを吐き出したのは、つい最近。
限界だった。
膨れ上がったこの気持ちを隠し通すのも
気のないフリをし続ける自分を保つのも。
解放して、
縋るような気持ちで伝えた恋心は、覚悟していた結末を迎えずに新たな始まりを迎えた。
「じゃ、付き合う?」
あなたもまた、嘘つきだった。
知ってるってばよ?
先生の好きな人。
あなたを好きな俺だから、
あなたの姿を追ってた俺だから。
あなたの視線が
自分ではない人に向けられていることを。
なのにあなたは俺を受け入れた。
その事に怒りはない。
嘘つきになった、あなた。
それも悪くない。
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