けっきょく僕は-04
それから俺はどう帰ったのかはわからないが、気がつけば月明かりが照らす部屋でただじっとベットにもたれかかっていた。
着替えも、電気をつける気もしない。
何も考えずに眠りたいのにそれさえもできない。
頭の中では先程のサクラちゃんとの会話が延々と駆け巡っている。
先生に本命なんていない。
みんなただの遊び。
どうして自分が"2番目"だなんて思い上がっていたんだろう。
よくよく振り返ってみれば思い当たる節はあるのに。
そういう事に疎かったからなのか、傷つきたくなくて自然に目を背けていたのかはわからないけど今の今までそんな事考えもしなかった。
サクラちゃんはこうも言ってた。
「女の人達は、カカシ先生が自分以外にも他に関係を持ってるって事を知った上で付き合ってるんですって。」
不毛よね、そう言ったサクラに何も言い返す事ができなかった。
ナルトもその不毛な関係を続けている一人なのだから。
(みんな、俺と同じだってばね…。)
静かな部屋にため息が響く。
同じ穴のむじな……だけどみんな、自分以外の女の存在は知っていても俺の存在は知らないんだ、きっと。
男と寝てる、なんて言いふらす奴はいないだろうから。
実際カカシは、関係を持つ女と腕を組み里を出歩いている。
それに比べ、ナルトとは出掛ける事は愚か必要以上に近づいてさえこない。
昔はあんなに引っ付いてまわれたのに。
その他大勢のライバル達に存在すら主張できない俺は一体なんなんだろう……。
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