嘘からでた誠-20
「ヤマト隊長!………ゲッ、サイ!!」
ナルトは思わず声を上げて駆け寄った。
「おはよう、ナルト。」
「やぁ、ナルト。それよりいま"ゲッ"って言わなかった?」
出会った当初は"嫌な奴"だったサイもいまでは良き仲間。だけど何を考えているのかわからないのは数年経ったいまでも変わらないわけで。
長い間共同生活になるだろう今回の任務にはキツい相手だな、とつい本音が出てしまった。
「いや〜、サイの気のせいだってばよ!はははっ……。」
不信感を露わにしながらも「そう?ならいいんだけど」と笑うサイに苦笑いしつつナルトはシカマルへと耳打ちする。
「なんでサイなんだよ。」
そう問うたナルトに返ってきたのはシカマルではなく
「…やっぱりナルトは僕がメンバーなのが不満みたいだね。」
小声で話した筈なのに、しっかり聞かれていたみたいで。
「え、や、その…。それは……サクラちゃんとかさぁ、医療忍術使える奴とかのがいいんじゃねぇのかなーって、うん。」
苦し紛れにそう言うとヤマトが口を開いた。
「すぐに戦闘になるわけじゃないからね、最初から医療忍術は必要ないよ。この任務はまず火影様の下に集められた目撃情報を頼りにターゲットの居場所を掴むところからだからサイの超獣偽画は捜索に役立つ。居場所を掴んで医療忍術が必要だと感じたら式を飛ばして増援を頼むつもりだよ。」
チラッとシカマルに目線を移せば"そう言うことだ"と視線を返され、サイには"より一層、絆を深めよう"と微笑みかけられた。
「よし!ではこれより木の葉の里を出発し、ターゲットである"うちはサスケ"を探し出し里へ連れ帰る!今回が最後のチャンスだ、何が何でも成功させてみせるよ!わかったね!」
隊長であるヤマトの掛け声と共に4人は、あんの門から姿を消した。
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