嘘からでた誠-19
「まぁいい。カカシ先生が言いふらしたりするとは思えねぇし。それに万が一広まったとしても幸運な事に俺達は暫く里を離れる。いのやサクラ達に詰め寄られる心配もねぇしな、帰ってくる頃にはそんな噂もなくなってるだろ。」
先程まで青筋立てて怒っていたくせに、そう言ったシカマルはいつもの気の抜けたシカマルで。
ビクビクして損した、なんて思いつつもシカマルがこういう性格でよかったと思う。
「それよりオマエ、任務の事言ってねぇだろな?」
誰に、と問いそうになったがすぐに検討がついた。
任務の内容をむやみやたらに人に言うもんじゃない、そんな忍びにとって当たり前の事を心配されるあたりシカマルが言ってるのは十中八九あの人だ。
「言うわけねぇってばよ。言っちまったら自分も行くって駄々こねるだろ。だいたい、カカシ先生を小隊に入れないように頼んだのは俺なんだからな、その俺が自分からバラすわけねーってばよ。」
「…そうだったな。」
「任務内容を知られて、もし失敗なんかしてみろ。何言われっかわかんねーってば。」
「あぁ…、でも俺は失敗する気はねぇぜ。」
「…おう、何がなんでも成功させてやるってばよ。」
任務を成功させて、俺も前へ進むんだ――。
「ところでシカマル。」
「あ?」
「この任務、俺とシカマルとあと二人は誰なんだ?」
フォーマンセルで行動するとは聞かされていたが、それが誰かとは聞かされなかった。
というより、その時点ではまだ決まっていないみたいだった。
「あ?言ってなかったか?」
言いながらシカマルは前方に顎をクイッと突き出す。
それに習ってナルトも前方へと視線を移せば集合場所である、あんの門の前にヤマトとサイの姿があった。
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