[携帯モード] [URL送信]
けっきょく僕は-03



慌てて落としたスプーンを拾って笑って誤魔化すと、サクラちゃんは怪訝そうな顔をしたままだがポツポツと話だした。



「こないだ偶然カカシ先生を見かけたのよ。声を掛けようと思ったんだけど隣に女の人が居てね、それで思い出したの。」



「何を?」



「前にカカシ先生に彼女居るのかどうか聞いてみたら居るよって言ってたなって。」



「へー…」



「だから、"あぁ、あの人が彼女なんだ。邪魔しちゃいけないな"って声掛けるのやめたの。」



(サクラちゃん、カカシ先生の1番目の人見たんだ…)



俺は一度もない。



見てしまえば、いまよりもっと自分が惨めな気がするから。



"2番目"を嫌と言う程、実感しなければいけないだろうから。



「でもね、それから度々カカシ先生を見かけるんだけど…いつも違う女の人を連れてるの。」






―――――!?






「いのにその話をしたら、カカシ先生には何人も浮気相手がいるんだってアスマ先生が言ってたって。それこそ本命なんていないんじゃないかって言うくらい。そうだとすれば浮気って言葉は違うのかもしれないけど。」






…頭を鈍器でゴツンッと殴られたくらいの衝撃だった。






俺は先生の何を見てきたんだろう。



どうして気づかなかったんだろう。



最初から、俺は"2番目"なんかじゃない。



"大勢いるうちの一人"だったんだ。

[←][→]

あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!