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嘘からでた誠-13



迂闊に距離を縮めれば、気配を感じ取る事に未だ疎いナルトは別としてシカマルには気づかれるだろう。



そう思ったカカシは二人の姿がギリギリ見えるくらいの距離に身を潜めた。



何故こんな事をしているのかわからない。例え二人がキスしていようが自分には何ら関係のない話、ここに留まる理由なんかない。



なのに気づけば気配を殺し、草木に身を潜め二人の成り行きを見守るカカシ。







こう距離があると何話してるかわからないね……。



口の動きを読もうとしてもなかなかうまく読めない。



仕方なく、かろうじて見える表情だけを頼りに状況を把握する事にした。







それにしても…熱烈なキスだこと。



カカシの目に映る二人のキスはまるで恋人同士がするような深いキス。



ただ、少し引っかかることがある。



それはお互いが求め合っているのではなくナルトが一方的にシカマルを求めているように見えるということ。



その証拠にシカマルは動揺した表情を浮かべている。



ナルトの片思いか?と仮定をたてたところで二人の身体が離れ、カカシは意識を二人へ戻す。







シカマルがナルトに何か呟いた。



呟かれたナルトは何か考え込んだあと、みるみる内に顔を赤くし俯く。



二人の会話が聞けない歯がゆさに思わず足を動かしそうになる。



だが、気づかれれば何もかもお終い。



今はここで、できる限り表情だけでこの状況を把握しなければ。



カカシはグッと拳に力を入れ、動き出したい衝動をなんとか押さえ込みその場に踏みとどまった。







何故そんな事を思うのかわからない。



何故自分がこんな事をしているのかもわからない。



ただ。



こうしなければならない、と無意識に身体が反応するんだ―――

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