嘘からでた誠-10
「なに勘違いしてんだよオマエ。」
「……へ?」
勘違い……?
"忘れさせてやる"って、シカマルが先生の変わりになってくれるって事じゃ……
「ねーよ。つかオマエ失礼だろ、ソレ。」
俺の思考にすかさず否定したシカマル。
どうやらまた俺は思っている事が顔に出ていたらしい。
シカマルといると本当に不思議に思う。
だって二人とも人並み以上に頭が良くて勘が鋭いのに先生はシカマルと違っていつまでたっても俺の嘘に気づかない。
たまに実は先生は気づいているんじゃないかと不安に思う。
先生もまた、俺と一緒で演じているんじゃないか、と。
そんなの俺が嘘を突き通している意味がないし、先生にまた嘘をつかしているのかと思うと気が気じゃないのだが、シカマル曰わく先生は本当に気づいていないらしい。
その言葉に俺はまた安心するのだが……
って今はそんな事考えてる場合じゃなくて!
俺ってば、スッゲー恥ずかしい勘違いしちゃったってば!
考えてみればわかるだろ、普通!
シカマルが俺なんかのこと好きな筈ないってばよ!
あー、キスしちまった。
しかもちょっと深め……。
もうシカマルの顔見れないってばよ…。
合わす顔がなく、俺は俯くしかなかった。
どうか、嫌われてませんよーに。
と、強く祈りながら。
[←][→]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!