嘘からでた誠-09
「ン……はっ、…何焦ってんだよ、オマエ。」
強引に重ねた唇が離れた瞬間、吐き出されためんどくさそうな声。
視線を口元から引き上げれば声と同じくめんどくさそうに眉をしかめた顔。
だけどそんなの、どうだっていい。
「だって…、言ったってば…。」
………言ってくれたってば。
「"忘れさせてやる"って。」
先生と別れて1年程経った頃、完璧に演じていた筈なのに何故かシカマルに気づかれた。
初めこそシラを切りとおしていた俺だけど勘の鋭いシカマルに嘘を突き通せる訳もなく、俺の考えまで見事に当てられ白状せざる終えなくなった。
「めんどくせー奴だな」なんて言うわりにシカマルは俺の話しを聞いてくれた。
先生への想い、演じていない俺、全て受け入れてくれた唯一の存在。
そんな日々が続いた時だった。
"忘れさせてやる"
そう言われたのは。
自分が思っていた以上に限界だったのかもしれない。
自分の気持ちを偽り、周りと接していたことに。
だから俺はシカマルに縋がりついた。
―――嘘を突き通すには限界だった。
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