嘘からでた誠-08 俺はあの日からも以前と何らかわらない俺を演じた。 バカやって、サクラちゃんに殴られて、遅刻する先生に文句言って、任務内容に文句垂れて、先生に修行見てくれ!ってせがんで。 任務も修行も頑張って、誉めてってば!と無邪気に笑って。 だけど――― 本当は泣いて縋りたい。 サスケじゃなくて俺を好きになって、と。 誰かに聞いて欲しい。 たまらないくらい先生が好きだ、って。 だけど、先生は俺に愛をくれたから。 偽りの愛だけど、俺は幸せだったから。 だから今度は俺が、先生のために。 先生を安心させるために、演じなきゃ。 先生の事を好きじゃない俺を。 だってホラ、先生安心してる。 先生の事まだ好き、なんて態度をとってたら先生は絶対俺を避けるだろうけど、先生は俺の修行にも付き合ってくれて一楽にも連れてってくれる。 先生? やっぱり俺、嘘は嫌いじゃないってば。 だって俺、今も幸せ。 嘘で固めた俺は、先生の隣に居られるから。 先生に触れる事ができるから。 先生が触れてくれるから。 偽りの日々は形を変えて続く。 だけど俺は幸せ。 [←][→] |