だから僕は-07
「どうしようもなくあの人が好きなら、また頑張ればいい。ただそれだけの話しだ。」
そうだろ?と視線が問いかける。
「言っとくが、いまの関係に戻るなんてバカな話はやめろよ?そん時がもしきたら全力で頑張れ。身体だけじゃなく、お前を、ナルト自身を見てもらえる様に。」
"だから一度、振り出しに戻るんだ"
そう言って、シカマルは俺の頭をクシャリと撫でた。
"俺自身"を。
そうだ、俺はカカシ先生に俺自身を見てもらいたかったんだ。
告白した時だって振られるのをわかってて、だけど俺の気持ちを知ってほしくて、俺自身を見てほしくて。
ただ伝えたかったんだ。
片思いの時は楽しかった。
先生の行動に一喜一憂して、構ってほしくてちょっかい出したりして。
先生が優しく笑いかけてくれるだけで幸せだった。
先生とひとつになれた事は確かに幸せだったけど、俺はあの時の方がもっと幸せだった気がする。
シカマルの言う通り、いまのバカげた関係なんかより、片思いの方がずっとマシだ。
「…そうだってばね!!俺ってば何やってんだろ!シカマルの言うとおりだってば!!」
「ようやく気づいたか。ったく、めんどくせー奴。」
俺とシカマルは顔を見合わせ笑った。
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