だから僕は-05
何の脈絡もない問いかけに、思考が静止してしまう。
シカマルはそんな俺を気にせず話続ける。
「今のお前が火影になったとして、誰がお前に着いていきたいと思う?」
シカマルが自分に何を問いたいのかがわからない。
「そんな死んだ魚みたいな目ぇした奴に誰が里を任せたいと思う?守られてぇと思う?」
「…死んだ魚みたいな目?」
「あぁ。何も…目の前にいる俺さえも写し出してない死んだ魚みたいな目、してんだよ。今のオマエは。」
シカマルは"ホラ"と鏡を手に取り俺の顔をうつしてみせた。
写し出された俺の顔は自分でもわかる程、生気のない顔をしていた。
…これが、俺?
「笑った時なんかもっとひでぇ面してんぞ。まるで人形だ。」
「…失礼だってばよ、」
わざと茶化すように言ったシカマルに悪態をつきながら鏡を返す。
自分はいつからこんな顔をしていたのか。
カカシ先生は気づいていたんだろうか。
気づいて知らないフリをしていたのか。
それとも気づいていなかったのか。
どっちにしろ、カカシ先生にとって俺の変化なんかどうでもいいって事なんだろう。
「…ははっ」
そう思うとなんだか笑えた。
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