episode1-19
プルルルル……
他人の色恋沙汰に興味がないカカシが何故こんなにもナルトとシカマルの事を詮索してるのか不思議に思いつつ、呼び出し音が止むのを待つ。
カカシは耳に携帯を当てるテンゾウに近づき聞き耳をたてている。
大の男が肩寄せ合って一つの携帯に耳を傾けると言うなんとも気持ち悪いこの状況にテンゾウは、知り合いには見られたくない!と切実に願うのであった。
[……はい。]
不意に受話器越しからシカマルの声がし、思わずカカシに視線をやるとカカシは顎をしゃくり上げて喋れと即す。
「あ、シカマル?お疲れ様。」
[お疲れっス。どうしたんすか?何かありました?]
心配そうなシカマルに内心胸が痛む。
「いや、店は大丈夫なんだけどね。ちょっとシカマルに聞きたい事があって…。」
[…聞きたい事?]
さっきの心配そうな声とは違い、不信感を露わにしたシカマルにテンゾウは息をのんだ。
チラッと隣に目をやれば、早く聞けと自分を睨みつけているカカシの姿。
何で自分がこんな事しなきゃいけないんだ、と心底思うがカカシに抗議できるわけもなく、意を決して口を開いたその時――
[シカー、ゴムどこだってばぁ?]
受話器越しにナルトの声が響いた。
テンゾウとカカシはその声にビクッと反応し、思わず顔を見合わせた。
[あ、ヤマトさんちょっとすんません!]
テンゾウに断りを入れて、ナルトに答えるシカマル。
[いつものとこにあんだろーが!]
[えー、ないってばよぉ?]
[チッ、マジかよ。あー、後で持ってくから待ってろ。]
[おう!で、誰と喋ってんのぉー?]
[ヤマトさんだよ、だからオマエ先にあっち行ってろって…………あ、オイ!]
淡々とナルトに話しかけていたシカマルの声が急に焦りだした。
どうしたんだ?とテンゾウが問いかける間もなく、受話器の向こうからシカマルではない声が自分を呼んだ。
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