episode1-09
「あら店長、居たんですか。」
(いや、知ってたよね?俺がナルトの後に入ってきたの。サクラ、オマエと目合ったよ?)
新手の苛めか?と自分の立場を見失いそうなくらいにガックリと肩を落とす。
そんなカカシにナルトとシカマルは苦笑いし、サクラは"嘘ですよ。"とカカシの肩をポンと叩いた。
カカシの顔がパァっと晴れる。
三十路を過ぎた大の大人(店長)が10代の従業員に貶され、殴られ、無視されて"俺って一体…"とまで落ち込んで。
今もまた、その従業員の一言、一言に振り回されているというなんとも滑稽な図。
カカシに好意を抱く女達には想像もつかないだろう。
いや、想像したくもないだろう。
「じゃ、あたしレジ行ってくるんで。」
ヒラヒラと手を振ってレジに向かうサクラを視線で見送る。
するとサクラの足が扉の目の前ピタっと止まった。
「どうしたの?」
くるっと踵を返したサクラはゾッとする笑みを浮かべ
「店長。またあんな事したら、わかってますよね?」
と、言い残し事務所を後にした。
「サクラちゃん、怖ぇーっ。」
ナルトは両腕で肩を抱きブルッと震えた。
さっきの出来事を知らないシカマルさえも背筋が凍りそうなサクラの笑みにゾッとする。
忠告されたカカシはというと、
(えー、そりゃあ無いでしょうよ。もう今日はモニター見ない様にしようかな。見たら絶対事務所飛び出ちゃうし。取り敢えずサクラ早く上がってくれないかなー。)
あまり応えていないのだった。
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