月明かり-06
実際ね、覚悟はできてるんだよ?
お前が俺じゃない誰かを好きになったって伝えられる日を。
そしたら俺は、ちゃんとお前の手を放そうってね。
こんなオジサンが駄々こねちゃう程みっともないものはないからね。
だけどさ、いざお前のそんな顔見てるとみっともなくてもいいからお前の手を離したくないんだよ。
ねぇ、どこにもいかないでよ。
俺から離れていかないで。
お前をこの手で感じたくて俺はそっとナルトの腰に腕を回し抱き寄せる。
「……センセ?」
起きているのがバレない様に規則的に呼吸を繰り返す。
「……寝てる、ってば?」
ごめんね、ナルト。
そういう事にしといてくれない?
先生、今ナルトの顔見たらきっと物凄く情けない顔しちゃうと思うから。
泣いてすがりたい程お前を離したくないくせに、こんな姿は見せたくないって矛盾してるちっぽけなプライド。
ほんと、情けないねぇ。
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