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月明かり-03



想いは一生、告げないでいるつもりだった。



だって迷惑でしょ?



こんな俺の気持ち―…。



越えなきゃなんない壁がいくつもあるって分かっていてお前を巻き込むわけにはいかないからね。



いや、違うか。



俺に勇気がなかっただけ。



越える勇気がないから、平静を装っていつも通りに過ごす。



いままでも、これからも。



そう思ってたのにさ?



そこはやっぱり意外性NO.1。



俺が越えようとしなかった壁をいとも簡単に越えてしまうわけですよ。



『センセーっ好きだってば!』



『はいはい、ありがとね。』



『そうじゃなくて!付き合ってくれってば!』



いつも通り、お前の"好き"もなんてことない様に交わしたのに。



そんな事言われたら我慢できないじゃない。



俺は自分の気持ちを抑え続けたズルい大人だから『しょーがないねぇ。』なんて二つ返事したけど、内心は死んでもいいくらい幸せだったんだよ。

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