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それは狂者の愛し方(仮)-02







な、んでッ……?







子供は直立を崩さず拳を握りしめ小刻みに震えながら嗚咽を漏らす。



途切れ途切れに聞こえるのは、大人を責め立てる単語ばかり。







どうして?



どうして泣いているの?








サンダルをスルリと脱ぎ捨て一歩、また一歩、と大人は子供に近づく。







やめろッ…、来んなッ……!







だけどそれを子供は全力で拒む。







なんで?

なんでオレを拒むの?








眉をハの字に下げ、情けない縋るような声色で腕を伸ばし子供を掴む。







心の中のもう一人の大人は、それはそれは嬉しそうに微笑んだ。







堪らない。







責め立てる嗚咽混じりのその声が。



絶望に満ちたその双眼が。







あぁ、これこそがオレが求めていたモノ。

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