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月明かり-11



「ねぇ、ナルト。」



「……なんだってば?」



「俺の子どもを産めないって言うけどさ、俺だってナルトの子どもを産んであげられないよ?」



「…俺は先生が居ればそれでいいってば。」



「うん、俺もオマエがいればそれでいいの。だから周りなんかどうでもいいじゃない。俺はオマエと居られればそれでいい。」



抱きしめる腕にギュッと力を入れてそう言えば、ナルトは戸惑いがちに頷いた。



ナルトはまだ不安なのだろうか。



不安がる事なんて何もないのに。







「じゃあさ、ナルトにお願いがあるんだけど。」



「………なんだってば?」



"職権乱用"なんて言わないでね―――。



















ナルトが火影になったらさ。



新しい条令作ってよ。



俺とオマエが夫婦になれるように。







それでね、どうやったって俺達は子どもを授かることはできないじゃない?



だからこういうのはどう?



未来の里の子どもたちが俺たちの子ども。



ふふ、大家族だよ。







頑張ってね?未来の火影兼、俺の奥さん―――











その日から、儚げに月を眺める少年の姿はみなくなった。



少年を照らし出していた一筋の月明かりが変わりに照らし出しているのは―――







幸せそうに寄り添って眠る二人の姿。

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