月明かり-10 「……先生は、優しくて強くて頭が良くて格好いいってば。」 「…はは、褒めすぎ。」 「……里のみんなは先生の子孫を残したがってる。だけど、俺は先生の子どもを産んであげる事はできないんだってばよ。先生を好きな気持ちは誰にも負けねぇけど……男の俺には先生を幸せにしてあげる事ができないんだってば。だから……、」 あぁ、なんだ。 ナルトはそんな事で悩んでたの。 バカだね、そんな事気にしなくてもいいのに。 男同士なんて今更じゃない。 結婚もできなければ、子どもだって授かれない。 そんな事最初からわかってる。 承知の上で、オマエを選んだんだ。 俺は別に結婚したいだとか子どもが欲しいなんて思っちゃいない。 ただ、オマエと生きていけるだけで俺は幸せなんだよ。 周りの目や声なんて気にならない。 里の奴らの所為でオマエをなくすなんてまっぴら御免だ。 カカシは体を起こし、今にも泣き出しそうなナルトを抱きしめた。 [←][→] |