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〜レモンとイチゴ〜



飴玉レモンイチゴ










「俺ってば野菜嫌いだけど……、いっつも差し入れしてもらってるお礼だってば。」



いつもの様に大量の野菜が入った袋を手に家へと押しかけた俺に、ナルトはそう言って飴玉をひとつくれた。



「ありがとね。」



受け取った飴玉を俺が口に放り込んだのを確認したナルトはコーヒー入れるってば、と台所へ向かった。



おかまいなく〜、と背中に一声かけてソファーに腰を下ろす。



飴玉を舌で転がすとレモンの甘酸っぱさが口内に広がる。



甘いものは苦手だが、たまには悪くないな、と弄ぶように舌先で飴玉を転がしているとナルトが部屋に戻ってきた。



「はい、先生。」



ナルトは俺にコーヒーを差し出した後、床に座り込み広げられたままの巻物に視線を落とした。



「ありがとね、巻物読んでたの?」



「うん。」



巻物から視線を離さず答えたナルトの口がモゴモゴと動いている。



「ナルトも飴玉舐めてるの?」



「ん。」



舌の上に飴玉を乗っけて俺に見せつけると、また巻物を読み始めた。



赤い玉だったからイチゴ味かな?



いつもの様に愛読書を取り出す事さえ忘れて飴玉を転がすナルトを見ながらふと思う。



レモン味とイチゴ味を一緒に食べたらどんな味がするんだろう。



飴玉はどんどん小さくなっていく。



あぁ、俺はなに変な事考えてんの。



そう思った時にはもう遅くて。



俺はナルトの腕を掴んで強引に身体を引き寄せた。



重ねた唇は、やっぱり甘酸っぱくて。



驚きで見開かれたナルトの瞳。



なんでこんな事しちゃったの。



後悔しながらも、重なっている唇を俺は離すことができない。



それどころか、舌をねじ込んで小さくなったレモン味の飴玉をナルトの口にねじ込んだ。



どんな味がするのか知りたいの。



心の中で言い訳しながらナルトの口内にある二つの飴玉を舌先で転がす。



どちらのものかもわからない唾液で飴玉は溶けていく。



飴玉がなくなればこうしている理由もなくなる。



それが何故だか嫌でたまらない。



頭をフル回転させて、唇を重ね続けていられる口実を考える。



だけどそんなの思いつくわけもなくて。



あーあ、なくなっちゃった。



なのに俺はやっぱり離す事ができなくて。



変わりにナルトの舌を捕まえた。



あ、イチゴ味。



そんな冷静な思考とは裏腹に、俺の舌は狂ったようにナルトの舌を求める。



ナルトが俺の身体をドンドンと叩き首をイヤイヤと横に振る。



それでも俺は離してやんない。



だって離れちゃったらナルト、怒るでしょ?



怒鳴るか、いや殴るか。



俺はなんて言い訳しよう。



新しい味を試したかったの。



だったら飴玉が無くなった今、どうして俺は離れない?



あぁ、そっか。



ナルトとこうしている事が嬉しいんだ。



ってことは俺、ナルトの事……。











ナルト、俺がオマエにこんな事しちゃった理由ちゃんと教えてあげる。



オマエが納得するまで、



耳元で囁いてあげる。







飴玉よりずっとてくてっぱい







愛の言葉を――――










唇が離れるまで、あと 秒。





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あきゅろす。
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