「壽太っていい人だよね。」 ―いいひと― いい人とか優しいとか言われるのは慣れてる。別に特別いいことをしていると思ったことないけど、いい人と言われるのが嫌なわけじゃない ただ、 いい人がいつか、好きな人になるのだろうか? 「・・・った、じゅった?」 「あ、ごめん、」 「どうしたの?」 名前は目の前で手をひらひらと振ってこちらを見ていた。久々の休日、2人で買い物中。 せっかくこいつと居られるのに名前の口から出たさっきの言葉が引っかかっていた。 「この前ね漣君が言ってたんだよ。」 「漣?」 いつの間に仲良くなってんだ…。漣のやつ・・・ 「壽太は変なところもあるけど、いいやつ過ぎるって。もっと自分にわがまま言ってもいいんじゃない?」 『変なところ』は余計だろ?なんて考えてたらいつの間にか名前の真っ直ぐな瞳で見られていた。 『自分にわがまま』か。 「・・・・・・はは。」 言葉がなのかこいつに言われたからなのか分からないが心に突き刺さる ―俺はこのままでいいのか― 「私は壽太がいい人のままじゃ嫌だな。」 小さく聞こえた君の言葉は俺の中の疑問とか不安とかを一気に取り除く それって期待してもいいんだよな? 俺が呆気に取られていると名前はスタスタと俺の前を歩いていく。黒いさらさらの髪の間から少し赤くなった頬が分かった。 俺は君の隣に並んで髪を撫でてやろう。そしたら君はその照れた笑顔を僕に向けてくれますか? いい人から好きな人への第一歩 「照れてんじゃねぇよ」 「照れてないもん、バカ」 「バカって言ったほうがバカなんだよ!」 「バカにバカって言われたくないもん!」 「なんだとぉ〜?」 -ao- いい人ネタが書きたかっただけ。最後はただのバカップル(笑) お戻りはブラウザバックでお願いします |