そして消える
春のドリライの公演が終わった。


一夜明けて完全オフの俺の所に彼女が来てくれた

名前とは会うのも久々で、昨日までの疲れなんか一気に吹き飛ぶ


「ひーくん、お疲れ様。ごめんね、疲れてるのに。」

「全然!名前ちゃんが居てくれてうれしいし。それに掃除までしてもらって…」


公演中ずーっとほったらかしの部屋を片付けてくれる彼女。
俺は溜まっていた洗濯物を洗濯機に放り込むだけ。



「やっぱり最後の公演見たかったな。」

「仕方ないよ。それに横浜公演来てくれるだけですごく嬉しかったし」

「しばらくテニミュもお休みだね。」

「・・・・うん。」


確かに次の公演までちょっと間がある
昨日までいつも一緒に居た仲間との少しのお別れ。それに、、、

「柳下さん?」

「・・・っえ!?」

「寂しいんでしょ?何かそんな顔してる」


彼女には全部お見通しみたいで


「卒業ってやっぱり寂しいね...」

会えないわけじゃない。なのにすごく遠くに感じる


「もう、ひーくんはいつも・・・」

そう言って彼女に両手を握られた。
ちいさいけど重なった手から彼女の温もりを感じた


「ごめん・・・」

「泣いても、いいよ。」

「・・・うん。」




それから少し泣いてしまった。我慢していた気持ちは彼女によってほぐされ、
そして消えていく。








「今度トモさんにメールしよ!」

「それで良し。」






-ao-
彼女の前でがまんする聖くん










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あきゅろす。
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