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偽り
21


津曲side


「………」
「音弥ーつまんなぃー」

風紀委員室には俺と小清水だけしかいない。これはいつものことだからあまり気にしないが横にいる小清水がウザくてしかたない。


「…音弥ー」
「そんなにつまらないなら見回りに行けばいいだろ」
「言っていいのっ?」


笑顔で言ってくる小清水を適当にあしらってこの部屋から追い出した。
静かになった部屋でまた仕事に取り掛かろうとプリントに目をやるとドアを叩く音がし中に小此木が入ってきた。


「あれ?委員長だけ?」
「あぁ、…何か用か?」
「図書室に生徒手帳が落ちてたから持ってきた」
「……そぉか」

そこに入れておけと言って、俺は目線をプリントに戻した。


「委員長1人で仕事?」
「……用がないならさっさと出てってくれないか」
「うわ、相変わらずだな、その性格」

わかったよ、と言って小此木は部屋から出ていった。


ドアが閉まる音を聞きながら俺は小此木が入れていった生徒手帳に手を伸ばした。


「……佐藤ゆずる、か」


また一つ仕事が増えたことに苛つきながら、生徒手帳を戻し、別の仕事に取り掛かった。


津曲side終わり




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