偽り
19
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「うぉぉ!」
「うるさい」
ばっと叫びながら起きた俺に、ばしぃぃっと大きな音と頭に鈍い痛みがはしった。…あれ?ここ…保健室?もしかして俺、寝てた?…
「…ははは、なーんだ今までのは夢か」
笑って夢だと思ってふと横を向けば、ベッドに肘をついてこちらを見ている相良千里がいた。にっこりと笑っていました…。…やっぱ、夢じゃないですよね。
「あはははは…」
「気持ち悪い」
渇いた笑いしか出ない俺にまた毒舌をはく相良にありがとうございますと言って、布団をかぶった。
「何してんの」
「…かくれんぼ、です」
馬鹿にしてんの?と言われ布団を剥がされた。
おぉ、力強い。
「ところで頭、大丈夫?」
「…頭までいかれてません」
「じゃなくて、頭は痛くないのかって聞いてるの」
馬鹿じゃないんだからそんくらいわかってよねと呆れ気味に言われた俺は、相良が何を言っているのかわからなかった。頭?そう思って後頭部を触ると小さなこぶがあった。
「いてっ」
「ぶつけたんだからそりゃ痛いよ」
「…ぶつけた?」
そこで俺はさっきのことを思い出した。そういえば後ろから何か当たって気を失ってたんだっけ。忘れてたよ。
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