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偽り



「ところで、ゆずる、午後の授業どうする?」
「あぁ、今日はサボりだな」

ヒロの質問に俺がそう答えるとヒロは、だと思ったと笑いながら言った。


俺たちが今から向かうところは体育館。





****


「「「キャーー!!」」」
「小此木様ー!!」
「相良様ー!頑張ってくださぁーい!!」



体育館で行われているのは二年生の体育の授業。
今日はバスケをやっている。そして授業だというのに周りには大勢の観客が集まっている。
普通ならあり得ないことだがこの学園では恒例のことだ。生徒会の奴らを見たいがために、ほとんどの生徒が授業をサボりこの体育館に集まる。そして俺たちもその中の2人だ。
周りに合わせてあいつらを応援する。
ちなみに、バスケをしているのは議長の小此木快人〈オコノギ カイト〉と会計の相良千里〈サガラ センリ〉だ。
やっぱり生徒会だけあって2人ともかっこいい。
小此木は爽やかな青少年という感じだがたまに酷く冷めた顔をする。相良は背は小さいが言うことが毒舌で見た目と違って腹黒い。

そんな奴らだが顔がいいせいか人気は申し分ない。



「おーい、ゆずる、そんな顔してっと目立つぞ」


おっと、いけない。
ヒロに言われて、自分の顔が仏頂面になっていたのに気づく。まぁ、生徒会には不満だらけだからこういう顔になるのは仕方ない。
とは思いつつ、さっきとは180度違う顔で生徒会を応援する。おもいっきしの笑顔で。




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あきゅろす。
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