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偽り
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小此木side



突然副委員長から飛び出して相良に叫んだこの子は誰なんだろう。
男だとわかっているのに可愛いと思ってしまった。

顔を真っ赤にし、固まっているこの子をみんなが黙って見ている。



「……………佐藤?」


相良が小さくそう呟いたのがわかった。
佐藤?
相良はこの子を知ってるのか?

そう思っているとその子はさらに顔を真っ赤にし、この場から走って逃げていった。
どうして急に逃げたか俺にはわからなかった。

ちらっと横を見ると相良が笑っていた。


「……相良?」
「………何?」
「あの子、知ってるのか?」
「…さぁ、知らないよ、あんな子」

そう言った相良はやっぱり笑っていた。



「え、ちょっと、待ってよー

急に逃げていったあの子を追いかけるように副委員長が後を追う。



「小此木、俺たちは戻ろう」
「…追いかけないのか?」
「…追いかけないよ、だって知らない子だし、」


俺には関係ないから、と言った相良がどこか楽しそうで何もわからない俺は何か嫌な感じがした。

この感じが嫌で相良に聞こうと思ったけど、この様子だと何も教えてくれないだろうと思い、ますます嫌な気分になった。
そして、俺はもやもやした気分のまま相良の後について行った。


小此木side終わり




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あきゅろす。
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