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偽り
38


「あ、ヒロ…」
「ん?」
「…俺、ヒロには言わないといけないことがあるんだよ」
「ゆずる?どうしたんだよ、って、なんか顔色悪くねー?」


ヒロに話してなかったつくものことを話そうと頭中で考えていたらだんだん気分が悪くなってきた。
あー、言わないといけないけど言いたくない。


「ゆずる?」
「あのさ、前、つくもれんに会ったことは話したじゃん」
「…あぁ、襲われそうになったって…もしかしてまた会った?」
「……うん、」
「あ、でも、前みたいに逃げれたんだろ?」
「……一応、逃げれてたのかな」
「……何かあったのか?」
「……………………キスされた」

そう小さい声で呟くと、後ろからドスッという音が聞こえた。ゆっくりと後ろを振り返るとまな板に包丁が突き刺さっていた。

「……ヒロ?」
「あ、ごめん、手が滑って」
「……大丈夫?…怪我してない?」
「大丈夫、それより、その話詳しく聞こうかな」
「え?あ、だけどまだご飯出来てないよ」
「……じゃぁ、作ってから聞くよ」
「……うん、」

ヒロがどこかおかしい気がしたけどすごいスピードで作りだしたもんだから、俺はついていくのに精一杯でそれどこじゃなかった。
ものすごく速かった…。
そして、あっという間にオムライスが出来て言うまでもなく美味しかった。
まぁ、いろいろとヒロに聞かれてちょっと大変だったけど、ゆずるが無事でよかったというヒロの一言で心配してくれていたんだとわかって、すっげー嬉しくて思わずヒロに抱きついた。とりあえず、ヒロに言えて安心した俺はその日ぐっすりと眠れた。




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あきゅろす。
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