それが恋、それが愛
6
「っ、…笑うんじゃねぇよっ」
「照れてる椎名、なんかかわいいー」
そう言って、顔を赤くしている椎名をからかう俺は、椎名から離れてお腹を押さえて笑っていた。
かわいいと言われてまた顔を赤くした椎名をずっとからかっていた。
そんな俺にムカついたのか、椎名は俺の手を引っ張り、いきなりキスしてきた。
「んっ………」
俺は椎名から離れようと、必死にキスから逃げようとする。
けど、逃げられず、たんまりと椎名にキスされたあと、俺はやっと解放された。
「………しぃな」
「…可愛いってのは歩のことを言うんだよ」
顔を赤くして、椎名を見つめる俺にそう言ってきた椎名は勝ち誇った顔で笑っていた。
俺はそんな椎名に何も言い返せず、ただ顔を赤くするだけだった。
やっぱ、こいつにはかなわない…。
透真side
「ふふふ、歩、びっくりするだろうなぁー」
大好きな人に会える気持ちで胸がいっぱいの僕は、その人の家のインターホンを押した。中から女の人の声が聞こえ、ドアが開いた。
「あら、透真くんじゃなーい、」
「どうもー、」
子供を抱き抱えて、僕にそう言ってきた歩ママは僕が来たことに驚いていた。
俺は軽く会釈した。
「透真くん、こんな時間に寮から出てきて大丈夫なの?」
僕の学校のことを知っている歩ママは僕を心配してくれる。
「大丈夫ですよ、少し、許可とってもらって来てますんで、ところで、歩は?」
笑って、大丈夫だということを伝えた僕は中に歩がいないか聞いた。
「…あゆにぃ出かけたの…」
そんな僕に、歩の弟がママに抱っこされながらそう呟いた。
少しぐずっているように見える。
「ごめんね、ちょっと歩と遊べなかったのが嫌だったみたいで…」
「……遊ぶ?歩は出かけたんですか?」
「そうなのよ、友達と動物園行くって言ってたのよね、」
「…………そうですか」
「でも、せっかく来たんだから、上がって待ってる?もうすぐ、帰ってくると思うんだけど」
そう言って、歩ママは俺を家の中に招き入れた。
「じゃぁ、お言葉に甘えて」
そう言って、微笑んだ俺は家の中に足をすすめた。
どこに行ったのかな…
僕のあゆむは…。
透真side終わり
[*前へ][次へ#]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!