それが恋、それが愛
24
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俺は馬鹿だから学習能力がないわけで、今日もいつも通り遥くんの部活が終わるのを屋上で待とおとしていた。タンクの上には登ってはいない。
いや、登れなかった…。
俺は今、一番会いたくないやつに会った。
会ったというか、屋上にあいつがいた。
「……おせーよ」
そう言って俺のとこまで来た椎名を、俺は逃げずにドアのとこで待っていた。
何故逃げなかった…。
「……日野、もう学校来て大丈夫なのか?」
「………お、おぅ」
俺の近くまで来た椎名はドアの横の壁に寄りかかり、煙草を吸い出した。
俺は少し緊張していた…。
「………椎名は何してたんだよ」
「お前待ってた」
「え?」
沈黙が嫌で、椎名にそう聞いたら、意外な答えが返ってきてびっくりした。
「……俺がお前に会いに行ったら、またこの前みたいになるだろ…」
「………俺のために?」
「…………あぁ、」
「……………ごめん」
「…謝んなっつったろ」
「……………うん」
「……座れよ」
そう言ってその場に座るよう言ってきた椎名。
俺はドアを閉めてその前に座った。
椎名との距離は俺が手を伸ばしても届かないくらい…。
少し考えて座った。
「………お前、あいつのこと許したんだろ…」
「……あいつ?」
「あの女だよ…」
「あ、姫香ちゃん…とはちゃんと仲直りした…たぶん」
「多分かよ」
「うるさいっ」
椎名に姫香ちゃんのことを聞かれ、今日の朝のことを思い出した俺は、椎名にそう言っていた。
自信はないけど、たぶん、大丈夫だと思う…。
姫香ちゃんが最後に笑っていたから、そう思った。
「……はぁ、ほんと甘ぇな、日野は」
「……椎名だったらどうしてたんだよ…」
「半殺し」
「…お前…女の子相手に冗談でもそんなこと言うなよ…」
「……半分本気」
「……ほんとにすんなよ」
こいつならほんとにしそうで、姫香ちゃんが少し心配になった。
「…………しねぇよ、お前が望んでねぇからな…」
「……………」
そう呟いた椎名の言葉に赤くなる俺はやっぱり変だ…。
なんで赤くなってんだよ、俺…。
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